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2024/07/24 ブログ

【メンタルカウンセリングシリーズ】今日から眠れる弁護士カウンセリング「離婚を切り出したあなたへ④」

今日から眠れる 弁護士カウンセリング ~トラブルで心が折れそうなあなたへ~

第1章 離婚

(前回の記事はこちら→【メンタルカウンセリングシリーズ】今日から眠れる弁護士カウンセリング「離婚を切り出したあなたへ③」

11 離婚を切り出したあなたへ④ ~親権編~

 弁護士の今田健太郎です。

家裁の調停で、離婚については大まかに合意に至ったとします。しかし、親権についてなかなか話がまとまらない場合には正直大変です。

この場合、まずは、弁護士に相談に相談することをお薦めします。

「子はかすがい」というように、夫や妻には愛情がなくても、子供はかわいいものです。特に、おじいちゃん、おばあちゃんが特別にかわいがっているような場合、どちらが親権を取得するかは、家族を巻き込んでの大乱闘モノです。私もよく場外乱闘を経験しました。

ここで、親権について考えてみましょう。法的には、親権というものと監護権というものは違います。世間的には、概ね子供を引き取って育てる人が親権者兼監護権者であり、これを一般に「親権」といいますが、法律家の概念としては、親権者は子供の法定代理人であり、契約などに関して同意権や取消権などを有する者を言います。他方、監護権者とは、実際に子供と共に生活し、子供の心身の発育に必要な環境を整えていく者を言います。

そうしますと、実際に、近くにいて世話をするのは、監護権者の方ですが、分かりやすく総称して、「親権」と言います。親権をめぐって対立が激しい場合には、最終的には、家庭裁判所において「審判」(判決のようなもの)で親権者が決定されますが、小さい子供がいる場合には、まだ家庭裁判所も母性優先主義の考えが維持されているケースもあります。したがって、実際に母親が子供を連れて別居し、経済面でも環境面でも子供を育てることができている場合には、父親が親権を主張しても通らないことが多いと思われます。逆に、母親が引き取っているものの、子供に対する虐待がみられるであるとか、ネグレクト(育児放棄)がみられるとか、浪費が過ぎて子供の将来が極めて不安であるといった要素がある場合には、父親にも親権を取得するチャンスがあるでしょう。そのほか、子供がある程度大きくなっていれば、子供の意見が尊重されることもあります。

なお、この親権については、現在、国会等において共同親権のありかたなどが議論されていますので、大きく、制度が変わることも想定されます。

一般論では語れない要素もたくさんありますので、是非、弁護士の見解を聞いてみてください。次章で述べる面会交流によって、子供と定期的に会い、良好な関係を築いている人もいます。

決して、親権の有無だけで、親子の関係性が完結するわけではありません。

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