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2024/06/13 ブログ

【メンタルカウンセリングシリーズ】今日から眠れる弁護士カウンセリング「離婚を切り出したあなたへ②」

今日から眠れる 弁護士カウンセリング ~トラブルで心が折れそうなあなたへ~

第1章 離婚

(前回の記事はこちら→【メンタルカウンセリングシリーズ】今日から眠れる弁護士カウンセリング「離婚を切り出したあなたへ①」)

9 離婚を切り出したあなたへ② ~協議離婚編~

 弁護士の今田健太郎です。

 離婚を切り出したあなた、相手方と離婚する方法は、3つあります。

一つめは協議離婚です。互いに話し合って、離婚届にサインをし、未成年者の子供がいる場合には、親権者を決定して記載したうえで(ただし、共同親権の法律が施行されれば双方となる可能性もあります。)、役所に提出するという方法です。

最も簡易な手続であり、お互いの話し合いで解決できるという点では、メリットの大きな方策といえます。ただし、この場合、事後的な問題を残す可能性があります。

一般に、離婚の際に協議のうえで決定しなければならない事項として、以下のようなものがあります。

①親権者、②養育費、③子供との面会交流、④財産分与、⑤慰謝料、⑥年金分割、などです。

このうち、養育費については協議離婚の場合、口頭での約束あるいは簡単な念書のようなもので決めている場合が多いのですが、離婚を承諾してほしいがばかりに、適当な養育費の額を決めて、そのうち支払いをストップするケースというのが山のようにあります。相手が、長期間にわたって勤務している会社(役所)を簡単に辞めるとは思えない場合には、それでも強制執行による給料の差し押さえなどをして回収することはありますが、一般には泣き寝入りとなります。しかも、公正証書などできちんと養育費を定めておかなければ、わざわざ裁判をして権利を確定しなければならず、すぐに強制執行というわけにもいかないのが現状です。

慰謝料にしても同様のことが言えますし、財産分与にしても、負の財産(住宅ローンなど)がある場合には、どちらが責任をもって月々の支払いを行っていくのか、支払いを終えたあとには名義をどうするのか、といったことまで細かく定めておかないと、後々、紛争を巻き起こすことになりかねません。

したがって、協議離婚を考えている場合には、事前に弁護士に相談に行き、夫婦間でどのような問題が残っているのかをピックアップしてもらったうえで、きちんと清算できるような方法をとっておくのが望ましいです。

せっかく夫婦の縁を切ったと思ったのに、お金の問題でいつまでたっても腐れ縁のような状態を継続するのは、お互いにとって不幸なことです。

前向きな離婚のためにも、法的問題を弁護士に相談しておきましょう。

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