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2024/08/22 ブログ

【メンタルカウンセリングシリーズ】今日から眠れる弁護士カウンセリング「離婚を切り出したあなたへ⑤」

今日から眠れる 弁護士カウンセリング ~トラブルで心が折れそうなあなたへ~

第1章 離婚

(前回の記事はこちら→【メンタルカウンセリングシリーズ】今日から眠れる弁護士カウンセリング「離婚を切り出したあなたへ④」

12 離婚を切り出したあなたへ⑤ ~面会交流編~

 弁護士の今田健太郎です。

別居中に子供に会いたい、あるいは、離婚後も子供と定期的に会いたいというのは、親の切実な思いの一つであろうかと思います。

子供に会う権利というのは、親のものと考えがちですが、実際には、子供にとっても離れている父親や母親と会うということは、心身の発育のうえでも重要なことであり、双方の親が真剣に考えなくてはなりません。

さて、実際に子供と会う=面会交流の機会は、どのようにして作るのでしょうか。一般的には、別居している状態で、子供を引き取っている方に対して、メールなどで子供に会わせてほしいといった要望を送ることになりますが、相手がこれを拒絶した場合が問題となります。強引に相手方の元に乗り込んでいって、連れて帰るという行為は、場合によっては誘拐や略取といった刑事罰が与えられる可能性もありますし、子供を傷つけることにもなりかねないので、厳に慎まなければなりません。

 

ここでも、弁護士に相談しましょう。

 

通常のケースであれば、面会交流の調停申立てを家庭裁判所に対して起こし、調停委員が双方の意見を聞いたうえで、面接の日や場所などを決めていくことになります。子供自身も楽しめるようにということで、人目の多い大型ショッピングセンターの遊技場などで、時間を区切って会うケースもありますし、家庭裁判所の調査官(心理学の専門家)の判断も加わって、まずは試験的に、家裁の中にある面会室で、子供と父親(母親)が面会してみて様子を見ることもあります。

こうして、面会交流を重ねていき、子供たちの心理的な状態も見ながら今後のありかたについて協議をしていくことになります。やむなく離婚となった場合であっても、調停調書には、養育費とともに面会交流に関する条項が入ることが一般的ですので、子供にとっても重要な権利である面会交流を実現させる努力を、双方の親が行うべきでしょう。

仮に、子供の面会交流が月に1回程度と決まった場合であっても、それは当面であって、子供が小学校、中学校と大きくなって行き、自分の意思で行動できるようになれば、愛情を示している限り、毎日でも会いに来ることもありますから、思い詰めないで柔軟に考えてみることをお薦めします。

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